ダイヤモンドを選ぶ前に知っておいて欲しいこと

世界4大宝石の一つにして、その美しさから特別な贈り物に選ばれる事の最も多い宝石と言えるダイヤモンド。特別だからこそ、ご自身の納得いく素敵なダイヤモンドを選んでいただきたい…。
今回は、ダイヤモンド選びのご参考になりますよう、ダイヤモンドの性質や選び方のポイントをお伝えさせていただきます。ご参考にしていただけましたら幸いです。

ダイヤモンドとは


ダイヤモンドは1種類の元素からなる唯一の宝石で、通常約99.95%の炭素からできています。 残りの0.05%は微量元素(窒素など)を含んでおり、 微量元素によってダイヤモンドの構造が変化し、ダイヤモンドの色や結晶形状に影響を与えることがあります。ダイヤモンドの色は「白」「透明」を連想する方が多いと思いますが、微量元素の影響により、イエローやピンクといった「カラーダイヤモンド」も存在します。

ダイヤモンドはどのようにできるのか


天然ダイヤモンドは、地中深くから掘り出されるものが多いです。ダイヤモンドが自然界において造られる条件は「高温高圧」であること。地球内部の「マントル」と呼ばれる深さ150~190kmの深部で、約2000℃の高温と6万~7万気圧の圧力を受けた炭素原子が強固に結合し結晶化することでダイヤモンドが誕生します。
その結晶は、マントルから地上へマグマによって運ばれるのですが、その際に高速でマントルから地上へ運ばれないと、炭素結晶のダイヤモンドは燃え尽きてしまいまうs。秒速にして1~4キロメートル、時間にして10時間から45時間で到達する必要があります。様々な条件が重なり、初めてダイヤモンドは地上に到達する事ができるのです。
通常はこの様なプロセスを経てダイヤモンドは形成されますが、もう一つ特殊な例として隕石が地球上に追突し、その衝撃や圧力・熱によって形成されたダイヤモンドも存在します。ダイヤモンドはマグマや隕石など巨大な圧力と熱から生み出される神秘的な宝石です。

ダイヤモンドの特性

ダイヤモンドには宝石として非常に優れた特性を持っています。宝石の中でも群を抜いた美しい輝き、非常に高い耐久性、希少性の高さ。どこをとっても素晴らしい宝石です。これらを知ると、益々特別な贈り物に選ばれる理由が分かっていただけるかと思います。
 

[1]輝き


ダイヤモンドといえばキラキラと美しい輝きが特徴の宝石。輝きはダイヤモンドの価値の一つでもあります。この特徴は、ダイヤモンドが高い屈折率(光を屈折する強さ)を持つ宝石であることが関係しています。屈折率が大きい物質は、入った光を通過させずに反射させるので、ダイヤモンドの中に強く細やかで美しい輝きを見ることができるのです。良い研磨が施されたダイヤモンドであれば、入った光が上面に全て反射されるので、より光り輝くと言えるでしょう。
ちなみに、ダイヤモンドは自然界にあるあらゆるものの中でもとても高い屈折率をもっているため、自然界で最も輝く物質と言っても良いでしょう。
 

[2]固さ(硬度)


繊細で華奢そうに見えるダイヤモンドの意外性のある特徴の一つ「固さ」。物の固さを図る単位『モース硬度』の数値を見てみると、10段階中10と最も固く、宝石の中では唯一10の硬度を持ちます。このことからもどの宝石よりも硬度が高いことが分かります。更に、地球上に存在する物質の中でも最も固いと言われていますので、着用時にも安心してご使用いただける宝石です。
 

[3]希少性の高さ


多くの産出国があるダイヤモンドですが、実は宝石品質として採掘されるものは全体の15~20%程度しかなく、大きな塊で採掘されても宝石として使用できるものはほとんど存在していません。透明かつ美しい輝きや色を持ち合わせるダイヤモンドは大変希少性が高いと言えます。
 

[4]不変性


宝石は長い間身に着けられるものですが、経年変化があるかどうかは心配になる点ですよね。ですが、ご安心ください。ダイヤモンドは非常に高い耐久性をもっていると言われています。その理由として、先に挙げた高い硬度のほか、「変色をおこさない」という性質も持ち合わせていることが挙げられます。光(紫外線)や熱、薬品などからの影響を受けにいくく、透明で美しい色を保ち続けることができます。
 

[5]親油性


ダイヤモンドのユニークな特性として、「親油性」というものがあります。読んで字のごとく、「油に馴染みやすい」性質を表しています。ダイヤモンドを指で触ったり、ハンドクリームが付いてしまったりすると、表面に油分が残ることで輝きが落ちたように見えてしまいます。
ですが、油分は中性洗剤を用いた洗浄で簡単に落とすことができます。短所とも取れてしまう性質ですが、自宅でお手入れができるのは良い点であるとも言えます。記事後半にお手入れ方法をご紹介しているので、試してみてくださいね。もしご不安でしたら、ヤマトヤの店頭で洗浄を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
 

[6]蛍光性


もう一つ、ダイヤモンドのユニークな特性として、「蛍光性」というものがあります。天然のダイヤモンドの中には、UV(紫外線)が照射されると蛍光色を発するものがあります。蛍光とは長波紫外線に対するダイヤモンドの反応の強さで、可視光より強い波長を持っている光を長波と表現します。長波紫外線が当たると、無色透明だったダイヤモンドがブルーやグリーン・イエロー・オレンジ・ピンクに色を変え発光します。とても神秘的ですね、蛍光性の強さによりNone(なし)・Faint(弱い)・Medium(中)・Strong(強い)・Very Strong(とても強い)の5段階に分けられ、鑑定書にも記載されています。
蛍光性はダイヤモンドの個性と言えますが、強い青色蛍光色(鑑定書の表記では「Very Strong Blue」)のダイヤモンドの中には、紫外線を当てなくても白く油膜がかかったように見えるものがあります。それらは「オイリー」と呼ばれ、ダイヤモンドの評価基準であるクラリティグレードに悪影響を与える可能性があります。ヤマトヤでは、10万円以上のダイヤモンドジュエリーには鑑定書をお付けし、「オイリー」のダイヤモンドが混じることの無いようにしています。

ダイヤモンドを選ぶ際のめやす・・・世界標準の評価基準「4C」

ここからはいよいよダイヤモンドの具体的な選び方に入っていきます。ダイヤモンドを選ぼうとすると、必ず「4C」という評価基準を目にすると思います。宝石質として採掘されるパーセンテージの非常に少ないダイヤモンドを、4つの評価基準に当てはめたものになっています。

➀4Cとは?

1950年代にGIA(米国宝石学会)が定めたカットされたダイヤモンドの品質評価基準です。カット(Cut)、カラット(Carat)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)の4項目からなり、それぞれの頭文字「C」を取って4Cと呼ばれています。
 
・カラット(Carat、ct)・・・重さ
ダイヤモンドの重さを表し、1カラット(ct)は0.2gです。重ければ重いほど大きさも上がり、希少性が高まります。見た目の大きさは他の要素に比べて最も目に見える部分である

・カラー(Color)・・・色
ダイヤモンドの色味の基準です。無色のものをDとし、黄色味のあるZまでの23段階でごく僅かな色調の違いをランク付けしています。ダイヤモンドは無色であるほど希少性が高いとされています。

・クラリティ(Clarity)・・・透明度
ダイヤモンドの透明度を表します。ダイヤモンド内部の内包物と表面の特徴を10倍に拡大して検査し、11段階に評価します。内包物は、天然のダイヤモンドの証でもありますが、量や位置によっては輝きを遮ってしまいます。例えるならば、雲が無く綺麗な空気の下の夜空は、多くの星の輝きを綺麗に見る事ができろように、内包物が無ければないほど光が妨げられず、細かく美しい輝きを見る事ができます。

・カット(Cut)・・・カットの総合評価
唯一、人の手による部分です。輝きを引き出せるように精巧に研磨されているか5段階で総合的に評価され、最も優れたカットはExcellentとなります。

★「トリプルエクセレント」って?
カットの評価は、上で説明した「カットの総合評価」のほか、「プロポーション」「ポリッシュ」「シンメトリー」と呼ばれる3つの要素も鑑定書上に表記されます。
「カットの総合評価」と「ポリッシュ」「シンメトリー」の全てが最高位のエクセレント評価のダイヤモンドは、評価基準内で最高評価の「トリプルエクセレント」と呼ばれます。

ダイヤモンドの取り扱いとお手入れ方法

ここまでダイヤモンドの様々な事にフォーカスしてまいりましたが、性質や特性を理解すればお家でのクリーニングや保管場所など悩まずできますので、是非挑戦してみてくださいね。
 
Step1. 使用後は拭いてからしまう
基本的には、使用後は柔らかな布で優しく拭いてあげましょう。肌に触れる事でついてしまった皮脂や汗を柔らかな布で優しく拭き取ってください。汚れはジュエリー全体を痛めてしまう恐れが在りますので、使用したら拭いて汚れを落としてしまう事を習慣にしましょう。
 
Step2. 汚れたら洗浄する
<ご用意いただくもの>
・ぬるま湯(30℃~35℃くらい),中性洗剤(食器用洗剤)・耐熱用の容器・柔らかな絵筆やブラシ・水分を吸収する柔らかな布
 
1.中性洗剤とぬるま湯で洗浄する
表面についた皮脂や汗、汚れを落とすために、お湯と洗剤を使用します。お湯を入れても良い器に30℃程度のぬるま湯を入れ、中性洗剤を数滴たらし静かに良くかき混ぜお湯と洗剤を馴染ませ、洗浄液を作ります。この洗浄液にダイヤモンドをつけ置きします。この時、金属部分も一緒に入れても大丈夫です。
 
2.流水に当てながら、毛先の柔らかな絵筆orブラシで汚れを落とす
しばらくつけ置きしたら、流水でしっかり洗剤成分を落とします。もし気になる汚れを落としたいときは、絵筆やブラシなどで撫でるように汚れを落としても良いでしょう。
 
3.柔らかな布で優しく水分をふき取る
しっかり汚れを落としたら、柔らかくて水分を吸収してくれる布で優しくしっかりと水分をとってください。その後、陰干しを行ってくださいね。
 
以上3ステップでお手入れは完了です。汚れが気になった際や、ご使用後など是非お試しください。

ダイヤモンドの選び方や性質を知っていると、ご自分の納得いくダイヤモンドを手に入れる事ができ、美しく保つことができます。是非、こちらを参考に素敵なダイヤモンドを見つけてくださいね。皆様のダイヤモンド選びのご参考になりましたら幸いです。