補聴器の機種を選ぶうえで迷うポイントの一つに、「形状」があります。大きく分けて耳に本体部分を引っかける「耳掛け式」と、耳にすっぽり収まる「耳穴式」の2種類があります。見るからに「目立ちにくさ」では耳穴式が有利ではありますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが向いているのかも人それぞれです。今回は補聴器の形状の違いによる差を解説していきたいと思います。
◆形状の違いによる比較表
耳掛け式 |
耳穴式 |
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特徴 | 本体・チューブ・耳栓の3パーツに分かれており、耳に引っ掛けるようにして使用します。耳栓部分をオーダーメイドで作り、より聞こえを良くすることができます。充電式と電池式の2種類が発売されています。 | すべての部品が本体に内蔵されており、耳の穴にすっぽり収まるタイプ。基本的にオーダーメイドで耳型を取って作ります。ほぼすべてが電池交換式になります。 |
メリット | ・適応範囲の広さ(軽度から重度の難聴まで対応) ・ファッション性に富んだデザイン ・耳穴よりも多機能 ・充電タイプがある ・価格の選択幅が広い ・お試しができる |
・装着しても目立ちにくい ・メガネやマスクの邪魔にならない ・汗による故障リスクが低い ・集音性に優れている ・安定した装用感(耳型を取ってオーダーするのでフィット感も良い) |
デメリット | ・耳穴型よりも目立つものが多い ・メガネやマスク、帽子の邪魔になる ・比較的故障リスクが高い |
・耳かけ型と同グレードで比較した場合、若干価格が高い ・お試しできない ・電池交換の頻度が多め |
向いている方 | ・機能を優先させたい方 ・電池交換の煩わしさを減らしたい方 ・手先が不自由で小さいものの取り扱いが苦手な方 |
・マスク、メガネ、帽子を利用する方 ・汗をよくかく方 ・目立たない補聴器がよい方 |
◆耳掛け式のメリット・デメリット
耳掛け式は本体が大きいことで性能的に余裕があり、機能的にも充実しています。より機能・聞こえを重視する方、難聴のレベルが重度の方にお勧めです。「RICタイプ」を選ぶと、本体が小さくなるので目立ちにくくなります。電池交換が要らない充電式が選べるのも魅力です。
また、「お試しができる」のもメリットです。耳穴式はフィット感を良くするために耳の型を取ってお作りするオーダーメイド品となるため、実際の製品を試すことが難しいですが、耳掛け式なら実際に補聴器をお試しいただけます。ヤマトヤでも2週間の無料試聴サービスを実施しています。
デメリットとしては、選ぶ機種によっては本体が大きく目立つこと、メガネやマスクの装着に干渉すること、本体が耳の外にあるため水や汗がかかりやすいリスクがあることなどが挙げられます。
◆耳穴式のメリット・デメリット
耳穴式のメリットは、何と言っても目立ちにくさ。CICタイプという超小型モデルを選ぶと、ほぼ外から見えません。また、メガネやマスク、帽子などと干渉しないのもメリットです。また、使用される方の耳型を取って隙間がないようにオーダーメイドでお作りするので、フィット感や集音性も優れています。
ただし、電池交換が約7~10日に1回必要になります。本体も小さいので、小さいものの扱いが苦手なは電池の交換がやりにくいかもしれません。また、耳穴式は事前にフィット感や装着感をお試しいただくことができないのもデメリットになってきます。検討されている方は実際に販売店で大きさを見てみてくださいね。
このように、耳掛け式と耳穴式は、それぞれ特徴があり、向いている方も違ってきます。また、補聴器は同じモデル名で耳掛け式と耳穴式が選択できるものが多いですが、耳掛け式にしかない機能があったり、同じ耳穴式でも超小型のCICタイプと通常タイプでは選択できるオプションが違ったりと、若干の違いがあります。
これらの形状に加えて、機能面でも様々な選択肢がある補聴器。特に初めての購入を検討されている方には、分かりにくい点も多いかと思います。「どれを選べばいいか分からない・・・」そんな時はお気軽にヤマトヤにご相談ください。聴力検査はもちろん、おすすめ機種のご案内、無料試聴サービスなどを通じて、補聴器の必要性や違いなどを感じていただければ幸いです。