メガネレンズに寿命はありますか?
メガネレンズには寿命があります。
ただし、レンズの取り扱いに注意をしていただければその寿命を延ばす事ができます。
こちらのコラムでは、レンズの寿命について、長持ちの秘訣など徹底解説していきます。
レンズの寿命は何年位?
寿命については一概には言えませんが 2~3年経つと少しづつレンズに痛みが現れ始めます。
このレンズの痛みどんな高価なレンズであっても起こってまいります。
では、レンズはどのように痛みがでるのでしょうか?
どうすればその痛みを減らすことができるのでしょうか?
メガネレンズのコーティングとその劣化
現在メガネを掛けている方の大半(99%)はプラスチックレンズを使用されています。
プラスチックレンズは何層もの膜(コート)が施されれています。
レンズ基材の上に施されているのがハードコートです。レンズ基材をキズから守ります。ハードコートの上に何層も重なっているのが反射防止コートです。反射を防ぎ透明度を上げます。最後に施されているのが撥水や耐キズを高めるコートです。汚れの拭き取りをしやすくします。この撥水耐キズコートはオプション扱いとなります。プラスする事によりレンズの寿命を延ばす事ができます。
では、レンズの痛みはどのような事が原因で現れるのでしょうか?レンズの痛みが最も目立って見えるのが
反射防止コートの剝れです。
このようにレンズに施されている反射防止コートが剝れる事により、レンズの美観を損ねるばかりでなく、対象物が見えづらくなったり、目が疲れてしまいます。
反射防止コートの剝れは次の4つが大きな原因として挙げられます。
① キズによるもの
レンズにキズが付くとキズから水分が入りコートの剝れが始まります。
レンズにキズをつけないように
□ 乾拭きはせず、水道水で洗い流した後に専用のメガネ拭きで拭いて下さい。ぬるま湯は不可!
□ レンズを下向きにして机などに置かないで下さい。
□ ポケットや鞄に剝き出しのまま入れないで下さい。必ずケースに入れて下さい。
コート剥げの大半はキズが原因です。キズには十分お気をつけ下さい。
また、コーテイングを守る為にスリキズに強い 耐キズコート(有料オプション) もお薦めです。
② 熱によるもの
プラスチックレンズは高温に弱い素材です。
プラスチックレンズは60℃以上の高温にあたるとレンズ素材が膨張します。次にそのレンズが常温に戻る際に膨張した素材が元に戻ろうとします。レンズ基材と反射防止コートの膨張収縮率が異なる為に元に戻る際にコートにシワやひび割れが発生してしまいます。
これを『クラック現象』と呼びます。
一度クラックが起きると元に戻す事は出来ません。
クラック現象の主な原因
□ 車内への放置による高温(ケースに入れていても同じです)
□ 『バーベキュー』や 『さいと焼き』など炎に顔を近づける行為
□ 厨房と冷蔵庫の中を行き来するお仕事
□ メガネをお湯で洗う(ぬるま湯も避けて下さい)
□ ドライヤーをあてる
□ サウナやお風呂で使用する
など…
上記の使用をしなければならない方はガラスレンズがお薦めです。
③ 水やけによるもの
水に濡れたまま拭き取らずに放置すると水分が蒸発し 水ヤケが残ります。
自動車のボディのように研磨剤を使用してメガネレンズは磨けません。雨に濡れた後は早めに水道水で洗い流し、しっかりと水分を拭き取って下さい。
④ 薬品によるもの
レンズに薬品などが付着するとコーテイングが溶けてしまいます。
コーティングに悪影響な薬品
✘ 整髪料やヘアスプレー
✘ 化粧品
✘ トイレやお風呂用洗剤、カビ取り剤
✘ アルカリ性洗剤(ハンドソープや固形石鹼)
✘ 酸性洗剤
✘ 有機溶剤(シンナーなど)
✘ 汗、レモン果汁など
上記の薬品がレンズにかかった際には早めに水洗いをし、水分を拭き取って下さい。
まとめ
上記の事に注意しながらメガネを使用していただきお手入れもしていただければ、前述したレンズの寿命を延ばすことができます。
要点をまとめると、
□レンズのお手入れは乾拭きをせず汚れを洗い流してから軽く拭く。
□洗浄の際使用して頂けるのは中性の洗剤やメガネ専用クリーナーを使用。
□ハンドソープなどアルカリ成分のあるもので洗わない。
□保管時はレンズにキズが付かないようケースに入れる。
□高温になりそうな場所での使用や保管に注意。
□薬品などレンズに付いたら早目の水洗い。
お気に入りのメガネを少しでも長く快適にお使いいただけますように・・・。