コンタクトレンズの仕組みと歴史

ふだん何気なく身に着けているコンタクトレンズ。近年は技術の進化により、酸素の透過性や装着感が向上し、本当に装着しているのを忘れるくらい「何気なく」着けている方も多いのではないでしょうか。今回は、コンタクトレンズを着けることでモノが見える仕組みと、コンタクトレンズ500年の歴史についてお伝えします。日々欠かせないコンタクトレンズ、その裏側を少しだけ知ってみませんか?

【コンタクトレンズの仕組み】

●どんな仕組みでモノが見えるようになるの?

 コンタクトレンズは、言うまでもありあませんが、近視・遠視・乱視などを矯正するために目に装着するレンズです。眼とレンズは直接密着しているわけではなく、眼の表面を覆う涙に浮かんでいます。

コンタクトレンズを装着し、ピントが網膜に合うよう光の屈折を調整することで、モノがはっきりと見えるようになります。視力を矯正する原理としては、メガネと同じです。

コンタクトレンズが眼鏡と異なるのは、自分の目の一部のように使えるので、視野が広くレンズがくもらないことや、より自然な見え方が得られるといった長所があります。また、特に強度の近視の方や左右の視力が大きく違う方は、コンタクトレンズの方が視力矯正に効果的です。
一方で、メガネに比べると装用時間に制約があること、装着や取り外し方法などの手順を守る必要があること、目に疾患があるときは使用できないことなど、注意を要する点もあります。コンタクトレンズは「高度管理医療機器」に指定されており、不具合が生じた場合は適切な処置を行わないと目の健康を害することもあります。使用方法をきちんと確認した上で使用しましょう。

●さまざまな機能を持ったコンタクトレンズが存在します

◆乱視用コンタクトレンズ

乱視用コンタクトレンズはトーリックレンズと呼ばれ、独特のカーブのつくりになっています。乱視の原因である角膜の歪みと反対の歪みを持ったコンタクトレンズを正しい向きに入れあわせることで、互いに打ち消しあって歪みをなくします。
 
◆遠近両用コンタクトレンズ

普通のコンタクトレンズは遠くを見るための度数がレンズ全面につけられています。それに対して遠近両用コンタクトレンズは、遠くを見るための度数と近くを見るための度数が同心円上に配置されており、視線を動かすことで遠近を使い分けます。
 
◆サークルレンズ

レンズ全面にカラーが入っているカラーコンタクトレンズに対して、レンズのフチ側部分にだけ色がついているタイプです。瞳(黒目)をナチュラルに大きく見せることができ、自分の瞳と重ねあわせることで自然に馴染む、派手すぎないデザインが魅力です。普通のコンタクトレンズのほかに乱視用もあります。

【コンタクトレンズの歴史】

◆コンタクトレンズの原理に初めて気づいたのは・・・

コンタクトレンズの原理に人類が初めて気づいたのは、何と遡ること500年以上前。あのレオナルド・ダ・ヴィンチと言われています。
イタリアの芸術家であり発明家でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチは、球形のガラス容器の中に水を満たし、顔をつけて目を開けたところ、外の景色が違って見えることに気がつきました。このことからダ・ヴィンチは、コンタクトレンズの原理の最初の発見者であると考えられています。
ただし、製品として今の形のようなコンタクトレンズが製作されるのは、ここからしばらく時間がかかります。

◆19世紀には、様々な学者がコンタクトレンズの研究に取り組みました

時は流れて19世紀。多くの研究者たちが、コンタクトレンズの研究にいそしみます。角膜を保護するためのレンズと、視覚矯正のためのレンズ。この両方の研究が進められました。このうち、視覚矯正のためのレンズの研究に貢献したのがオーゲン・フィックでした。
1888年、スイスの眼科医オーゲン・フィックは、型取り法(ウサギの眼で石膏の型をつくり、ウサギに装用)によりコンタクトレンズを製作し、近視である自分の目で視力の矯正を試みました。このことを記した『Eine kontactbrille』という本タイトル『kontactbrille』が、現在のコンタクトレンズ)の語源になります。
当時のコンタクトレンズは基本、ガラス製のレンズでした。ドイツの研究者アウグスト・ミュラーは自らの目に入れて視覚矯正に成功しましたが、あっという間に充血して30分ほどしか装着できなかったと言われています。

◆1940年代に初代ハードコンタクトレンズが登場

現在、コンタクトレンズは主にハードコンタクトレンズとソフコンタクトレンズの2種類がありますが、ハードコンタクトレンズのほうが、ほんの少し早く歴史に登場します。
1940年代にポリメチルメタクリレート(PMMA)という素材が開発され、これがハードコンタクトレンズの原型となります。ただ、角膜の代謝に必要な酸素が通らないため、長時間の装着が困難であるという問題点を抱えていました。そこで、1970年代から、酸素透過性のハードコンタクトレンズの開発が進むと同時に、装用感(着けごこち)の改善も図られます。
日本においても、1951年、メニコン創業者の田中恭一が、現在のハードタイプのコンタクトレンズとほぼ同じ形状のレンズを完成させ、国内で初めて実用化に成功しました。

◆1950年代~60年代にかけてソフトコンタクトレンズの原型が登場

今度は、ソフトコンタクトレンズの素材となるアクリル系ハイドロゲル(HEMA)が開発されました。着けやすさから、ソフトコンタクトレンズの普及は広まりました。ただ、こちらにも問題点が。コンタクトの汚れやタンパク質が感染症を引き起こすことがわかります。そこで、1980年代に使い捨てソフトコンタクトレンズが開発・市販されました。

◆現在はおしゃれのためのコンタクトや、遠近両用などの用途別レンズ増えました♪

2000年代に入るとカラーコンタクトを着ける方が増え、最近ではメイクアップの一環として欠かせない存在になりましたね。Youtubeのメイクアップ動画を見ると必ずと言って良いほどカラコンを着ける場面があります。また、技術の進化により、遠近両用や乱視用のコンタクトレンズも販売されています。


レオナルド・ダ・ヴィンチの発見から500年。コンタクトレンズは今も進化し続けています。


ヤマトヤでは、視力矯正のためのコンタクトレンズはもちろんのこと、カラーコンタクトレンズもお取り扱いしております!ぜひお気軽にご相談ください。

ヤマトヤ東田中店内 御殿場コンタクトレンズ
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